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TEST DRIVE 試乗オヤジのたわごと (クルマ大好き試乗オヤジの言いたい放題)

元・自動車評論家によるディーラーの試乗記。 いいクルマは動き出しの5m、交差点一つ曲がっただけで分かるもの。 これまでに乗ったクルマは1000台近くになるのではないでしょうか?自分で買ったクルマも30台以上になります。ブログだから書ける本音のインプレ。

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試乗 ホンダ オデッセイ アブソルート EX

今回のメルマガ「雑誌に書けないクルマの通知簿」Vol.135は
「試乗 ホンダ オデッセイ アブソルート EX 」
“なんだこの足は?“

ode11.jpg

エリシオンと並んで最近めっきり影が薄くなっていたホンダのミニバンですね。な
ので?今度のオデッセイは、上級の「エリシオン」を統合する形で生まれ変わりま
した。まだ多少は名の知れた「オデッセイ」ブランドを残してちょうど間のサイズ?
と言うか中途半端な感じになっちゃった感もありますね。初代誕生以来、初めて両
側スライドドアが採用された5代目です。
ode12.jpg
スタイル★★

うーん、この凡庸なデザインはもはやオデッセイとは呼びたくないですね。もうこ
のプロポーションからはエンブレムが無かったらどこのミニバンか分かりません。

内装★★★

内装も相変わらずホンダは下手ですね。もう黒一辺倒。それにアブソルートのウッド
パネルのブラックの木目って!何でホンダはそんなにヤンキー系が好きなんでしょう
か?
ode13.jpg
エンジン・ミッション★★★☆

ただ残念なのはホンダらしからぬ味気ないエンジン音でしょうか。回転フィールもイマ
イチですね。4気筒でももっとスムーズな例はいくらでもあります。

足回り★★

ここはちょっとやりすぎでしょ!試乗車が18インチを履いていた事もありますがあまり
にハードです。常に上下に揺さぶられます。一緒に試乗した同乗者も「こんなに硬いミ
ニバンは初めて」と驚いていました・・。

以下、気になった方は登録月は1ヶ月(バックナンバーも含め4号分)は無料で読めますのでぜひチェックしてみて下さい↓
●有料版「雑誌に書けないクルマの通知簿」(¥315/月)

次号は「アウディRS4アバント」”走りが美しい!文句無しの1台!"の予定です。お楽しみに!



今週の無料版は
「アウディA8 4.2 FSI クワトロ」
“理詰めで攻めるが何かが足りない?”


a8.jpg

先週お伝えしたように1週間ほど新型A8(2010年3月デビュー)にじっくりと乗る機
会があったのでワインディングや高速など色々なシーンで試してみました。

ただ最新のA8(2013年モデル)はこのV8、4.2(372ps/6800rpm、45.4kgm/3500rpm)
に変わって、V6、3.0ターボ(310ps/5,500-6,500rpm、44.9kgm/2,900-4,500rpm)とV8、
4.0ターボ420ps/5,000-6,000rpm、61.2kgm/1,500-4,500rpm)になっています。その
あたりを考慮して読み進めていただければと思います。


スタイル★★★★

アウディのアイコンであるシングルフレームはA8では流石に大きく、そのスタイリ
ングを特徴付けます。アクの強さはありますがこのクラスではそれが許されるので
これは良しとしましょう。

フォルムはアウディそのものですね。リアをキュッと絞ってフェンダーにボリュー
ムを持たせる。特にリアからはそのサイズ(全長×全幅×全高=5137×1949×1460
mm/ホイールベース=2992mm)の割りに小さく見えるスタイルです。ちなみにロン
グホイールベース版のLボディは全長×全幅×全高=5267×1949×1471mm/ホイール
ベース3122mmとなりメルセデスベンツのSクラスのロングと比べても大きなものとな
っています。

ライトも特徴ですね。10個のフルLEDヘッドライトは宇宙人のアイラインのように印
象的です。サイドパネルも逆にRを付けるという新しい手法によってシャープな印象
と未来的な印象を出しています。Cd値はわずか0.26と優秀です。


内装★★★★

ここはアウディの強い部分ですね。Sクラスや7シリーズと比べてもその質感はもち
ろん華やかさといったエモーショナルな部分でも勝っていると思います。

試乗車は標準仕様でしたが「アウディ デザイン セレクション」が装着されたクル
マでは白のラインやパイピングが入ったものになります。好みは「バラオブラウン」
という茶系のレザーですね。これは艶消しウッドとアルミ製パネルのダッシュボー
ド、アルカンタラ張りのルーフ等が備わりいっそう豪華な印象になります。

夜になるとLEDの照明(白、アイボリー、ルビー&白の3種類からMMIで選べる)が車
内のあちこちに点灯するのも楽しいアトラクションです。

また良い所は、ダッシュ上部の枠が太く、その内側で幅を感じるせいかボディが実
寸以上に小さく感じる事です。これは7シリーズと乗り比べてみるとはっきりと分か
ります。先代もそうでしたが、実際には大きなボディにもかかわらず、運転してい
るとまるで1クラス小さな車に感じます。これは4WDとしては非常に良く切れるステ
アリングによって小回りが利くことも関連しています。

不満は先代同様、右ハンドル車の左足もとの狭さです。いくら4WDとはいえこれほ
どのボディを持ちながら左足のスペースに余裕がないというのはアウトです。また
パドルシフトの部分がプラスチックなのにも興ざめです。こういう普段から触る機
会の多い部分の質感にはこだわって欲しいものです。やはりシフト時にはアルミや
マグネシウムなど金属の質感を手に感じたいものです。その他の部分に異常にこだ
わっているだけに意外です。

またシフトレバーのパターンが不明瞭で例えば切り返しなどで素早くD-Rを移動さ
せたい場合など慣れが必要です。ブラインドで出来るようなものではありません。
またドライブバイワイアのレスポンスが悪いのも印象を悪くしています。こういう
走りの部分のレスポンスが悪いとせっかくのスポーティーな感覚が殺がれてしまい
ますね。


エンジン★★★★

エンジンは4.2リッターV8、DOHC32バルブ(372ps/6800rpm、45.4kgm/3500rpm)で
す。アイドリングストップ機能はありません。

フィールはちょっと重々しいですね。もちろん踏めば走りますが、低回転では重め
のステアリングとも相まってせっかくのアルミボディの軽快さが表現できていませ
ん。

それでも回転感は流石にアウディ特有の粒の揃ったもので高級感があります。さら
に回せばだんだん軽やかになりサーっと結構な勢いで加速していきます。8速のト
ルコンATも実にスムーズで不満はありません。

さらに「ダイナミック」モードを選択すると、エンジン、ミッション、パワステ、
エアサスの設定が変更され、ぐっと動きがシャープになります。ステアリングはさ
らに手応えを増しミッションは高回転をキープします。

サウンドは上質ですがSシリーズではありませんから特別スポーティーな演出はあ
りません。それでもこれはノーマルグレードのLクラス高級車ですからこのチュー
ンは間違いではありません。

ちなみに最新版はS8同様4.0にダウンサイジングされターボが組み合わされます。
パワーは372ps/6800rpm、45.4kgm/3500rpmから420ps/5,000-6,000rpm、61.2kgm/
1,500-4,500rpmと大幅にアップしています。低速からトルクがあり2トン弱のボデ
ィをスタートから軽々と軽快に走らせるそうです。ちなみにS8はさらにチューンが
上がり520ps/5800-6400rpm、66.3kgm/1700-5500rpmとなっています。


足回り★★★★

乗り心地は先代よりも随分ソフトになりました。アルミの悪癖を感じないばかり
かまるでメルセデスのように直接的なショックを一切感じさせないものになって
います。

まあそれで僅かにソリッド感というかスポーティーさは失われましたが、このグ
レードでは正しい方向でしょう。

それでもアウディ・ドライブ・セレクトを「ダイナミック」に合わせると足は引
き締まりボディが小さく感じます。ワインディングでの限界は非常に高く、高い
速度域なのにコントロールの幅も広いです。現代の高性能タイヤはもちろん無粋
なスキール音は一切発しませんが、グリップの状態は良く伝えます。

スライドし始めてからも一気にブレイクするような感覚は全くなく、アクセルを
少し緩めるだけでインに張り付きます。もしアウト側に余裕があればさらにアク
セルを踏めは前後バランスの取れたスライドが余裕を持って楽しめます。

このクルマのフルタイム4WD、クワトロシステムは新開発の機械式センターデフを
使ったもので、通常時には前40:後60と、やや後ろ寄りに駆動力を配分します。
さらに状況に応じて60:40~20:80の範囲で可変してくれます。基本的に電子制
御は介在せず、メカニカルですが、Uターンなどでも先代のようにデフの音は発生
しません

またこのサイズを超えた操縦性はASF(Audi Space Frame)と呼ばれるアルミ製ス
ペースフレーム構造のボディ構造によるところも大きいと思われます。車重は試
乗車で1960kg。スペースフレーム構造のアルミボディは231kg(ロングで241kg)
しかなく、通常のスチールモノコックに比べて約40%軽く出来たといいます。

つまりクアトロによる重いデフと絶対的に軽いボディのコンビは相対的に低重心
となり、S時の切り返しなどでもおつりの来ないコーナリングを楽しめます。この
クラスでこの感覚を味わえるクルマはそうそうありません。アウディらしい技術
による前進、理詰めのコンストラクションはアルミボディのA8で完結します。


総評★★★☆

ここまでオール4つ星なのに総評は3.5です。つまりバランスが良すぎて物足りな
い。言いがかりのように聞こえるかもしれませんが、高級車に必要なのはある種
の過剰であったりアンバランスが故のトゲだったりするのかもしれません。

私は先代のS8に乗っていますが、実は今回の試乗に当たって浮気心が出たらどう
しようって思っていました。でもその心配は杞憂だったようです。今回クルマを
返却して自分のクルマに乗り換えたとたんに「なんてスポーティーで楽しいんだ」
って思いました。

つまりステアリングは軽く足も締まっています。5.2リッターのV10は低速で唸り、
高回転では乾いた音を残して豪快に加速します。乗り心地も決して不快ではあり
ません。ボディはやはり小さく、重いコートを脱ぎ捨てたかのような軽快さです。
もちろんグレードが違うといえばそれまでですが、私には新S8であったとしても
同じだったと思います。新型はやはり大きく、走りも丸くなっていて率直に言っ
てソリッド感に欠けます。

A8はアルミボディにクアトロシステム&エアサスを与え機能的に最高を目指して
います。実際FRのSクラスや7シリーズと比べ悪天候時のアドバンテージはもちろ
ん普段の安定性や快適性も上だと思います。ただこの4.2グレードはどこかまと
まり過ぎているのか楽しさに欠ける部分があったようです。

私なら3.0に「アウディ デザイン セレクション」と80万円のACCやナイトビジョ
ン等をセットにした「プレセンス パッケージ」を装備して乗るか、S8を選びま
す。


【スペック】4.2 FSI クワトロ:全長×全幅×全高=5137×1949×1460mm/ホイ
ールベース=2992mm/車重=1835kg/駆動方式=4WD/4.2リッターV8DOHC32バル
ブ(372ps/6800rpm、45.4kgm/3500rpm)1160万円

(※この記事は2012年12月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し
約1年遅れで配信しています。)


●次号無料版は「キャデラックXTS Platinum」
“高級車の深みに欠ける?”の予定です。お楽しみに!


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