「試乗 ロータス・エリーゼS」
“このハンドリングオタクが!”
2010年に行われたマイナーチェンジで
いわゆるフェイズ3となったエリーゼですが、
今回試乗したのはスーパーチャージャーを
装備したハイパワーモデルのSです。
エリーゼに乗るのは久しぶりだったので
ワクワクしながら東京の練馬にあるLCIの
ショールームに向かいました。
初代エリーゼは95年のフランクフルトデビュー
ですから、もうかれこれ20年にもなるのですね。
スタイルはその割にはいまだ新鮮味が失われていません。
それだけ独自性のあるデザインだということでしょう。
ハンドリングはとにかく軽快です。
S時でどんなに乱暴に且つ素早くステアしようが
一切の揺り戻しはありません。
日本の狭いワインディングでは無敵ではないでしょうか?
つまりエリーゼの成り立ちのすべてはこのレベルの
ハンドリングを実現するためにあります。
そのカーペットや内張りさえ省いた内装や
コストのかかったシャシーなどの全てです。
昔からロータスはエンジンには余り興味がないよう
に見えました。
もちろんまったく気にしていないわけではないと思いますが、
このハンドリングに対するこだわりからするとそう見え、
それがロータスを特徴付けてもいました。
そういう意味ではこのエリーゼは正にロータスらしい
モデルといえるのではないでしょうか・・。
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「試乗 アコード・ハイブリッド」
”トヨタ車みたい!”
2モーターの本格的なハイブリッドを持たなかったホンダが満を持して発表したクル
マです。選んだのはアコード、日本ではハイブリッド専用車として展開するとの
ことです。
スタイル★★
まずサイズが従来モデルより大幅に拡大されています。全長×全幅×全高=4915
×1850×1465m/ホイールベース2775mm。これは先代アコードより185mmも長く、ホ
イールベースも70mm伸びています。
アコードファンとしてはサイズアップも残念ですが、一見してアコードと分から
ないどこにでもあるようなスタイルになったことはもっと残念なのではないでし
ょうか?
リアエンドなどはレガシィやBMWとように見えてしまうのは私だけでしょうか?ス
タイルに関してはアコードの遺伝子はもはや捨ててしまったように感じました。
もちろんまとまりの悪いスタイルではありませんが、その分無国籍で全くどこの
メーカーのクルマか分からない感じになってしまっています。
内装★★☆
品質感はアコードの名に恥じないものです。しかし内装がブラック1色というのは
いかにも日本的というか、つまりデザインは楽しくないの一言です。
インパネの造詣も無駄な曲線が多くゴチャゴチャした印象になっています。ナビ
のサイズも小さくウッドのカラーなども“やっぱりそちら側ですか”という趣味
ですし、シートにいたっては造形はまだしも柄は随分“ジジ臭い”感じです。
もうアコードに昔の若々しく革新的なセダンのイメージを期待してはいけないよ
うです。
またトランクルームは驚くほど狭いです。バッテリーやコンバーターを積むため
特に奥行きに余裕がなく容量は381リッター+床下17リッターとなっています。
他のハイブリッドが色々な工夫をして容量を確保する中、これではツアラー(ワ
ゴン)も作れないでしょう。
エンジン・ミッション★★★☆
ここのスペックは立派です。燃費(JC08モード)は30.0km/リッター(CO2排出量
は77g/km)と軽自動車並みです。
システムは2モーター+アトキンソンの2L、直4です。ホンダではこのHVシステム
を(SPORT HYBRID i-MMD)と呼びます。ちなみにi-MMDはインテリジェント・マル
チモード・ドライブの頭文字だそうです。
最高出力(最高出力169ps/3857-8000rpm、最大トルク31.3kgm/0-3857rpm、124kW)
のモーターと、発電用モーター(ジェネレーター)に吸気バルブを遅閉じするア
トキンソンサイクルによる高膨張比&高効率の2リッター4気筒エンジン(最高出
力143ps/6200rpm、最大トルク16.8kgm/3500~6000rpm)を組み合わせ、システム
最高出力で199psを得ています。
リアに搭載されるリチウムイオンバッテリーは、GSユアサとホンダの合弁会社で
あるブルーエナジー製(電力量は1.3kWh)です。
メインモーターが主に走行用で、ファイナルギアを介し前輪を駆動します。エン
ジンは基本的には駆動に参加せず、通常は第2のモーターと直結して発電を担当し
ます。また、一定速度以上の巡航や強い加速など、メインモーターのトルクが不
足や、エンジンの方が効率がいい状況では、エンジンと駆動系を直結するクラッ
チがつながる仕組みです。
変速機はなく、ギア比も普通のトップギア並みなので主に60km/h以上が出番です。
これは三菱の「アウトランダー PHEV」に近いですね。つまり従来のIMA(インテ
グレーテッド・モーターアシスト)方式、マイルドハイブリッド?に比べかなり
本格的なモーター主役のモーター主役のハイブリッドと言うわけです。
まあ、長い説明は他の媒体でも調べられるので、ようは乗ってどうなのかという
ことですよね!
結論から言って楽しくはないです。エンジンはDOHC4バルブと立派ですがそのサ
ウンドにホンダはありません、というか全く官能はなく無機質で単に煩いだけで
す。切り替えのショックはないですが静かなEV走行から少しでも積極的なアクセ
ルを踏むと“ブォーン”という無粋な音が発生しこれが妙に気になります。高級
感が殺がれます。
スムーズなドライバビリティと環境スペックに免じて3つ★半としていますが、自
動車好きにはなんとも平凡と言うか、ホンダが後出しするからにはもっと何かを
期待していただけに残念です。これならはっきりいってカムリと選ぶところはあ
りません。
足回り★★★
いいのは電動サーボブレーキと称するブレーキ・バイ・ワイヤ機構ですね。これ
はドライバーのペダル操作を電気信号に変換し、パッドの押し出し方を決めるも
のですが、非常に自然でプリウスなどで指摘される違和感はほぼありません。も
ちろんエネルギー回生システムとも連動していますがセッティング上手く非常に
自然ですし、いざという時には強い制動力を出し安全性にも貢献します。
あと乗り心地もいいです。ハーシュネスはほぼ皆無でこの点だけでも印象がいい
です。また低めの着座位置と高いアンチロール性を両立する素直で軽快なハンド
リングは昔のアコードを思い出させるものです。
しかし残念なのはそれを台無しにする電動パワステです。これは最近のホンダに
共通する欠点ですね。路面の状況をあまり伝えてきません。
結果、せっかく高度に軽量化された高剛性ボディの良さを感じられません。クル
マとの一体化が得にくいのです。こうなると件の乗り心地もどこか人工的に感じ
何かワンクッションある気がして飛ばす気になれません。
総評★★★
満を持して登場したホンダ初の本格ハイブリッドは確かにスペック的には目標は
達成したのでしょう。しかしわれわれクルマ好きがホンダに期待するものはそこ
にはありませんでした。もっと言うならアコードも捨ててしまったの?という感
じです。スタイルやそのコンストラクションにもはやアコードはありません。
これではちょっと燃費のいいカムリです。内外装や味付けにホンダならではとい
うか、クルマ好きに訴えるハイブリッドを期待したのですが・・。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4915×1850×1465m/ホイール
ベース:2775mm/車重:1630kg/駆動方式:FF/エンジン:2リッター直4 DOHC 16
バルブ/エンジン最高出力:143ps(105kW)/6200rpm/エンジン最大トルク:16.
8kgm(165Nm)/3500-6000rpm/モーター最高出力:169ps(124kW)/3857-8000rpm
/モーター最大トルク:31.3kgm(307Nm)/0-3857rpm/タイヤ:(前)225/50R17
94V/(後)225/50R17 94V(ダンロップ・エナセーブ050)/燃費:30.0km/リッ
ター(JC08モード)/価格:390万円
(※この記事は2013年7月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約
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